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京都御所のほど近く、京町家を利用した店舗にテキスタイルが映える「プティ・タ・プティ」。ここでは“心に残るものをひとつひとつ丁寧に”を柱に、コンセプトを大切にしたテキスタイルを提案しています。オーナーは“色”を表現する奥田氏と、イラストレーターのナカムラ氏のふたり。もともとは小学校時代の同級生で、数十年振りに同窓会で再会したのをきっかけに、それぞれの魅力を活かしたものづくりが始まったのだといいます。

いちばんに誕生した作品は、三角形の紙をいくつも重ねて京都の山景をイメージした『レ・モンターニュ』。コラージュの表現をテキスタイルにしているものはめずらしく、風合いによる懐かしさとデザインの新鮮さがはっと心を惹きつけます。作品となった紙は、京都の古本にかけられていた紙だったりと、どれも物語のある紙ばかり。アクセントとなる原稿用紙のような紙は古い文具店から譲り受けたガリ版刷りのロウ原紙です。新しいものと古いもの、日本と海外、誰かと誰か。このテキスタイルから、さまざまな物語が繋がっていくようです。

そして、そんな想いがたくさん詰まった紙の風合いや、色を再現できるのは、奥田氏の繊細な色調整技術があってこそ。デザイナーが思った色や雰囲気を、思った以上に表現して理想を形にする・・・同じことができる職人は、他に探すことはできません。ふたりでひとつ、けれども、ふたりそれぞれの良さがあって、ふたりだからこそ生まれる世界観を、どうぞ「プティ・タ・プティ」初となる器でお愉しみください。